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ユーラシア研究センター

奈良県立大学ユーラシア研究フォーラム2023 「奈良でゾロアスター教」を開催しました。


奈良県立大学ユーラシア研究フォーラム2023「奈良でゾロアスター教」を開催しました

浅田学長

開会挨拶(浅田尚紀 学長)

 令和5年11月25日(土)、ゾロアスター教をテーマにした国際フォーラム「奈良でゾロアスター教」を4年ぶりに本学で開催しました。
 当日は、日本、インド、タジキスタン、イランから一級の研究者並びにゾロアスター教神官にご出演いただき、世界各地にわたるゾロアスター教儀式等の紹介、祭式の実演、最新の研究成果の発表、パネルディスカッションを行いました。

ゾロアスター教の祭式について

 世界最古の宗教とされるゾロアスター教にまつわる祭式が現在、世界各地でどのようなかたちで遺っているのかを比較考察すべく、以下の三地域での祭式の様子について、各登壇者から映像を交えて紹介しました。

①BC.12世紀から9世紀、ゾロアスター教創唱の地とされるパミール高原での古習
キャミラ・マジュルノーヴァ氏(タジキスタン国立古代博物館職員)から「ノウルーズ」(イラン暦の新年にあたる春分の行事)について紹介。
②AD.3世紀から5世紀、サーサーン朝ペルシャで国教となったイランのゾロアスター教祭式
サルワル・タラポーレワーラー氏(イラン ゾロアスター教女性神官補佐司教)から「ガーハンバール」(1年に6回行われるお祝いの行事)について紹介。
③現在、インドで行われている、パールシーと呼ばれるゾロアスター教徒の儀式
パルヴェーズ・バジャーン氏(インド ゾロアスター教神官)とそのご子息・ダラユス氏により、一般に広く行われている「ジャシャーン」について紹介。

Mrs. Kamila Majlunova

キャミラ・マジュルノーヴァ氏

Mrs. Sarvar Taraporewala

サルワル・タラポーレワーラー氏
(オンラインにてご出演)

Mr. Parvez Minocher Bajan

パルヴェーズ・バジャーン 氏

ゾロアスター教の実演

祭式の実演の様子

 ゾロアスター教神官のパルヴェーズ・バジャーン氏とご子息ダラユス氏により、拝火杯(レプリカ)と映像の炎を用いて、現在も行われているゾロアスター教祭式を厳かに実演いただきました。

学術講演

聖なる衣服「スドラ」と「クスティ」について

ナオジョテに使用される聖なる衣服「スドラ」と「クスティ」について解説

 パルヴェーズ・バジャーン氏とご子息ダラユス氏により、「ナオジョテ―ゾロアスター教の入信儀式」と題して、新しくゾロアスター教徒となる者(一般には7歳の子どもの行事とされる)について、実演を交えて紹介いただきました。

Mrs. Kamila Majlunova

キャミラ・マジュルノーヴァ氏

 キャミラ・マジュルノーヴァ氏から「中央アジアの宗教における火の重要性」と題して、タジキスタンのバジャフシャーン地方(パミール高原)を例にご報告いただきました。

Mr. Takeshi Aoki

青木 健 氏

 青木健氏(静岡文化芸術大学文化・芸術研究センター教授)から「火の道」と題して、イラン・インド系民族宗教の足跡について実例を交えてご報告いただきました。

Mr. Kianoosh Rezania

キアーヌーシュ・レザーニヤー氏

 キヤーヌーシュ・レザーニヤー氏(ドイツ ルール大学ボーフム教授)から「古代末期ゾロアスター教における魂の来世への旅路」と題し、ゾロアスター教の終末論についての思想(観念)とその波及についてご報告いただきました。

中島 敬介特任准教授中島敬介(ユーラシア研究センター副センター長/特任准教授)

中島 敬介特任准教授

 中島敬介(ユーラシア研究センター副センター長/特任准教授)から「ゾーロストルかく語られき――『火教大意』(1883)の出版意図を探る。」と題して、1883年9月に林董(はやし・ただす)が出版した、ゾロアスター教について日本で最初に紹介した書籍『火教大意(かきょう・たいい)』について、その目的や当書が及ぼした歴史的影響について報告いたしました。

パネルディスカッション

海外からの登壇者たち

海外からの登壇者たち

日本の登壇者たち

日本の登壇者たち

 フォーラムの最後に、登壇者によるディスカッションが行われ、本日の発表内容を振り返る形で、パミール高原で誕生したとされるゾロアスター教が世界中に伝播されるに伴う変容とゾロアスター教の本質について意見交換を行いました。

おわりに

 当日は、会場には20代から70代にわたる幅広い世代の一般参加者(事前申込)65名及びオンラインによる参加(同)があり、最後まで熱心に聴講いただきました。ありがとうございました。
 本フォーラムのもう少し詳しい内容については、令和6年3月末に出版の『奈良県立大学ユーラシア研究センター学術叢書3』(京阪奈教育情報出版)に掲載しておりますので、是非ともご覧ください。

2023年奈良県立大学ユーラシア研究センターフォーラム聴講者

熱心に聴き入る参加者の様子

フォーラムを終えた登壇者たち

 ー [予稿集]
 参加者にお配りしました、当日の発表要旨をまとめた「予稿集」を掲載いたします。
 体調不良により当日ご登壇いただけなかった張小貴氏(中国 曁南大学歴史学部教授)の学術講演予定内容につきましても、予稿として掲載しております。
 ー [質疑応答]
 フォーラムの会場にて来場者からご提出いただいた質問について、以下のように回答します。
 時間の関係で当日対応できませんでしたが、下記のとおり取りまとめましたのでご覧ください(現時点で回答できていないご質問もございます。以降、確認ができ次第、適宜追補等いたします)。
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