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ユーラシア研究センター

「ユーラシア研究センター国際ワークショップ2026」を開催しました!


2026年3月13日(金)、本学コモンズ棟にてワークショップ「語り直されるキリシタンの記憶―日仏比較から考える歴史と地域―」を開催しました。

「奈良から世界へ」、本学ではこの地から生まれた知的な営みが現代の国際的な対話へとつながっていくことを目指しています。本ワークショップは、そのような理念を実践する場として、専門研究者による公開の研究交流として実施されました。

<実施の概要>

小俣准教授

冒頭では、本学准教授の小俣ラポー日登美が本ワークショップの開催趣旨について説明しました。
続いて小俣准教授より、「ヨーロッパで『再発見』された日本の殉教者たち――教皇庁とフランス語史料が語る列聖運動」と題する講演が行われました。1597年に長崎で殉教した二十六聖人が、1862年にローマ教皇ピオ9世によって聖人の位に列せられた列聖式を中心に、スライドを用いて解説がなされました。講演では、前近代に形成された「殉教の日本」というイメージが、1862年の列聖式を通じて近代的に再編されていったことが紹介されました。また、このイメージはヨーロッパ各地で同じように受け取られたわけではなく、フランスでは文久遣欧使節の来訪と結びつけて理解され、独自の「日本」像が形づくられていったことが示されました。

マルタン・ノゲラ・ラモス 准教授

続いて、フランス国立極東学院准教授のマルタン・ノゲラ・ラモス(Martin Nogueira Ramos)先生より、「日仏の史料からみる関西における1880年代のカトリック教会の布教活動――エメ・ヴィリオン神父とその日本人伝道士を事例に」と題する講演が行われました。
ラモス先生は本ワークショップのためにフランスから来日され、流暢な日本語でご講演くださいました。講演では、19世紀後半の京都・奈良におけるキリスト教布教の展開について紹介され、当時の京阪地域ではパリ外国宣教会の宣教師たちが活動し、日仏交流の一端を担っていたことが示されました。また、布教活動は社会の周縁に置かれた人々だけでなく、上流社会にも広がっていたことや、日本社会にキリスト教を紹介する際に文明化という視点が用いられていたことなどが指摘されました。さらに、本邦初公開となる奈良最初期のカトリック教会の写真も紹介され、奈良とヨーロッパとの交流の歴史を示す貴重な資料として注目を集めました。

稲賀 繁美 名誉教授

その後、国際日本文化研究センター名誉教授で京都精華大学元教授の稲賀繁美先生より、専門的な見地から補足とコメントが寄せられました。宗教的交流が京阪地方における日仏の経済・政治的交流とも結びついていたことが、具体的な事例を通して示され、講演内容がより広い歴史的文脈の中で位置づけられました。

ディスカッションの様子

最後には、出演者によるディスカッションと参加者との質疑応答が行われました。参加者から多くの質問が寄せられ、活発で熱のこもった議論が展開されました。
終了後も、参加者と出演者の間で交流が続き、会場では長時間にわたって意見交換が行われました。
当日は地域の方々にも多くご参加いただき、奈良や京阪地域の歴史をあらためて見つめ直す機会となりました。また、本学学生の参加に加え、周辺の研究機関の研究者との交流も生まれ、分野や所属を越えた対話の場となり、本ワークショップは本学が目指す「開かれたアカデミア」を体現する取り組みとなりました。
なお、本ワークショップでの発表内容は、今後、小俣准教授による本学地域創造研究センターの紀要で紹介される予定です。

本学では今後もこのような機会を設けていきますので、その際はぜひご参加ください。

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