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明日香村:「棚田オーナー制度」体験

[2017年1月26日]

ID:206

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元気のある大学 奈良県立大学REVIEW

本学では学生が積極的に地域に出かけ、地域づくりの実践を体験しながら学んでいます。
実践的な体験や参加を通して、学生自身が地域創造について考えることを重視しています。
このページでは、本学学生が学び、体験し、実践参加する地域創造の事例を紹介しています。

review4 奈良県明日香村の「棚田オーナー制度」 奈良県立大学 中谷seminar

奈良県の明日香村は日本の「まほろば」であり、高松塚古墳やキトラ古墳をはじめ、数多くの歴史的遺産を抱えていて、奈良を代表する地域の一つです。毎年多くの観光客が訪れる観光地でもあります。しかしその一方で、農村地帯としての明日香村は日本の他所の例に漏れず、過疎化や高齢化が進んでいます。専業農家の減少や就農者の高齢化の問題が深刻化して、農業の担い手が弱体化し、耕作放棄地の増大が問題となっています。

こうした中で、明日香村で長らく維持されてきた「棚田」が危機に瀕していました。 棚田とは「急な傾斜地を耕して階段状に作った田(広辞苑)」のことで、千枚田とも表現されます。平野部の限られる日本では、各地にこのような棚田が形成されてきたわけですが、時代の流れとともに、多くの手間暇がかかり効率の悪い棚田は次第に疎んじられるようになりました。明日香村でも同様でした。
しかし、荒廃する棚田を何とか復活維持できないかという思いが地元の人々の中で芽生え、明日香村の稲淵地区では、1996(平成8)年1月、地元の農家が集まって棚田ルネッサンス実行委員会を立ち上げ、棚田オーナー制度が開始されました。この制度では、棚田を区画割りして、一区画ごとに都市住民にオーナー (といっても買い取りではなく、1年ごとの貸し出し) となってもらいます。そして、地元の農家の方々に指導してもらいながら、両者がともに汗を流して年間を通して稲作に勤しむというものです。 棚田は独特の美しい景観と深い農体験を都市の住民に提供しています。また地元としても村の労働力不足を都市住民の参加で補うことで、棚田保全に役立てているのです。

近年、食料生産ということのみならず、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承などの農業の多面的機能が見直されるようになってきました。こうした流れの中で、美しい景観や自然環境に満ちている棚田は全国的に見直されていて、各地に棚田オーナー制度が生まれています。1995年には棚田を有する市町村、各種団体、個人から成る「全国棚田(千枚田)連絡協議会」が設立され、同会を中心とした「棚田サミット」が毎年開催されています。その他、NPO法人「棚田ネットワーク」や「棚田学会」 など、様々な団体が設立されるなど、動きが広がっています。

この制度は、農村の問題だけでなく、都市の問題とも関わっています。物質的歓楽を求める「モノの豊かさ」の追求から、より精神的な充足を求める「心の豊かさ」の追求へと人々の志向が転換するなかで、都市住民のライフスタイルも、改めて自然や「農」を見直し、志向するようになってきました。農村と都市が交流するなかで運営されているのが、棚田オーナー制度であるといえます。明日香では、農作業以外にも、れんげ祭りや彼岸花祭り、かかしコンテスト、地区の盆踊りなど、様々な行事が盛んに開催されています。

本学の中谷ゼミでは、平成15年度より毎年、明日香村の棚田オーナー制度に参加しています。春にはレンゲが咲き乱れ、秋には彼岸花が棚田を覆う風景は何ともいえず美しいです。地元の人々とのふれあいもすばらしいです。 ゼミ生は教室のみならず、実際の地域づくりの事例に参加し体験することで、地域創造とは何かを実感し、感動したり、疑問を感じたりしながら、試行錯誤しながら勉強をしています。

棚田の風景写真1
棚田の風景写真2
棚田の風景写真3
棚田の風景写真4
活動の様子1
連携一覧画像
  • 明日香村役場とあすか夢耕社(財団法人、明日香村地域振興公社)と地域住民(明日香村稲淵、棚田ルネッサンス、実行委員会、インストラクター)とが連携しています。
  • 地域住民(明日香村稲淵、棚田ルネッサンス、実行委員会、インストラクター)と地域住民(稲淵大学、消防団、女性会、子供会、老人会)とが連携しています。
  • 地域住民(明日香村稲淵、棚田ルネッサンス、実行委員会、インストラクター)と都市住民(明日香村稲渕オーナー会)とが連携しています。
  • 都市住民(明日香村稲渕オーナー会)に奈良県立大学(中谷ゼミ)が参加しています。

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奈良県立大学地域交流センター地域交流室

電話: 0742-93-7022

ファックス: 0742-93-7369

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